NPO法人「心は灯と音と森の研究所」主催による、第一回の講演会は、ライティングハウス・南アルプス・サロンの建つ、長野県富士見町に縁の深い、詩人、尾崎喜八に関する講演会を、音楽学者であり、国際音楽学会副会長の樋口先生に、お話しいただきました。樋口先生の奥様の、美砂子さんは、尾崎喜八の孫娘であり、講演は、樋口先生の新譜のバッハの「マタイ受難曲」の演奏や、尾崎喜八の残した、朗読を聴きながら、偉大な詩人と、彼が生涯に渡って、愛した、「音楽」に彩られた、豊かな会となりました。
(講演する樋口先生)
法人の企画を担当する人間として、感慨深かったのは、尾崎喜八がアカデミックな世界を生きた人間ではなく、在野の世界から、自己を築いた、というお話しです。尾崎喜八は、ロマン・ロランとも交流が深く、ドイツ語、フランス語を得意としましたが、独学で学んだのでした。同様に、音楽に関しても、自己の「関心」を芸術の域に昇華させることのできた、稀有なまでの愛する事柄への集中力を持っていたのでしょうね。
(講演を真剣に聞くお客様たち)
今回、前回と異なり、地元、富士見町の方々が多く足を運んでくださいました。やはり、地元の人々の関心が高かったこと、お越しいただいた方々が、口々に、尾崎喜八への愛と感謝を語って下さったのは、素晴らしいことでした。NPO法人「心は灯と音と森の研究所」は、今後も、地域と連携した文化的な催事を催し、多くの方々に喜んでいただける、企画を行って参ります。